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2019年、世界中で続いた子どもの犠牲~死傷、性的暴力、学校や病院への攻撃【プレスリリース】

 

トルコ国境近くの非公式居住区で寒さから身を守るシリアの家族。(2019年11月撮影) © UNICEF_UN0348581_Saadトルコ国境近くの非公式居住区で寒さから身を守るシリアの家族。(2019年11月撮影) © UNICEF_UN0348581_Saad

【2019年12月30日 ニューヨーク発】
世界中で紛争が激化する中、子どもたちが犠牲になり続けていると、ユニセフ(国連児童基金)は本日述べました。この10年で国連は、紛争下で暮らす子どもに対し、重大な権利の侵害が17万件以上あったことを確認しています。この数は、日ごとに換算すると1日45件以上に相当します。

1989年に子どもの権利条約が採択されて以来、紛争を経験している国の数は最も多くなっています。数十の暴力的な紛争によって子どもたちは命を落としたり、大けがをしたり、ふるさとから逃れることを強いられています。

「世界の紛争は長期化しており、流血の惨事がさらに多くの若い命を奪っています」と、ユニセフ事務局長のヘンリエッタ・フォアは述べました。「当事者たちが、子どもの保護という戦争の最も基本的なルールの1つを無視しており、子どもへの攻撃は減ることなく続いています。新聞の見出しに出たり、怒りの叫びとして表面化している子どもに対する暴力のひとつひとつの陰には、報告されていないことがたくさんあります」
 

砲撃によって破壊されたウクライナの教室に立つ14歳のオレクシーくん。(2019年4月撮影) © UNICEF_UN0312575_Filippov砲撃によって破壊されたウクライナの教室に立つ14歳のオレクシーくん。(2019年4月撮影) © UNICEF_UN0312575_Filippov

2018年、国連は、殺傷、性的暴力、誘拐、人道アクセスの拒否、徴兵や徴用、学校や病院への攻撃など、子どもに対する2万4,000件を超える重大な権利侵害を確認しました。監視と報告は強化されているものの、この数は2010年の2.5倍以上となっています。

2018年には、1万2,000人以上の子どもが死傷しました。その後も、地雷、迫撃砲、即席爆発装置、ロケット攻撃、クラスター爆弾、砲撃などの空爆と爆発性兵器は広く使われ、紛争下で多くの子どもたちが犠牲になっています。

子どもへの攻撃と暴力は、2019年も止むことはありませんでした。今年6月までに国連は、子どもに対する同様の権利侵害を1万件以上確認しましたが、実際の数字はそれよりもはるかに多いでしょう。

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<2019年のデータ>
1月、シリア北部および東部での暴力、避難、そして寒さの厳しい冬により、少なくとも32人の子どもが死亡した。

2月、コンゴ民主共和国東部のエボラ出血熱治療センターへの攻撃が複数件発生し、その攻撃は年間を通して続いた。

3月、マリ中部モプティ州のオゴサグ村での武装グループによる攻撃で、85人の子どもを含む150人以上が死亡し、ソバノウコウ村へのさらなる攻撃で、24人の子どもが死亡した。

4月、イエメンの首都サナアにある2つの学校の近くで、爆​​風により14人の子どもが死亡し、16人が重傷を負った。サナアでは、5校のうち1校は、紛争が直接的な原因で使用できなくなった。

5月、ユニセフは各国政府に対し、シリア北東部のキャンプや拘留センターに取り残された自国籍を持つ子ども、もしくは自国民から生まれた子どもを国に送還するよう呼びかけた。60以上の国々から来た、約2万8,000人の外国籍の子ども(イラクからの約2万人を含む)は、いまだ北東部に留め置かれたままである。同月、ミャンマーのラカイン州での暴力の激化により、子どもたちが死傷したと報告された。

6月、ナイジェリアのボルノ州コンドゥガにあるサッカー観戦所で、3人の子どもが爆発物を爆発させて30人が死亡、48人が負傷した。また、6月最初の2週間で、スーダンでの抗議デモの最中に、少なくとも19人の子どもが死亡し、49人が負傷したと報告された。
 

ユニセフが支援するアフガニスタンの学校で、笑顔を見せる12歳のカエナットさん。(2019年4月撮影) © UNICEF_UN0309054_Kokicユニセフが支援するアフガニスタンの学校で、笑顔を見せる12歳のカエナットさん。(2019年4月撮影) © UNICEF_UN0309054_Kokic

7月、アフガニスタンの首都カブールの学校を破壊した大きな爆発により、多くの子どもが負傷した。同月の後半、32人の子どもが南スーダン北部の反政府勢力から解放されたが、ユニセフは、国の軍隊や武装グループが、いまだ何千人もの子どもを徴用していると推定している。

8月の週末、シリア北西部での空爆により、16人の子どもと12人の女性を含む44人の民間人が死亡したと報告されている。

9月、ユニセフは、イエメンで200万人の子どもがいまだ学校に通えていないと報告した。そのうち50万人は、2015年3月に紛争が激化して以来学校に戻れていない。

10月、シリア北東部での暴力の激化により、5人の子どもが死亡し、26人の子どもが負傷した。シリアで、9カ月の間に死亡した子どもの数は657人、負傷した子どもの数は324人となった。

11月、ユニセフは、カメルーンの北西部および南西部での3年間の暴力と情勢不安により、85万5,000人以上の子どもが学校に通えなくなり、5万9,000人の若者が家を追われたと報告した。
 

 

12月初旬、ブルキナファソの礼拝所で武装勢力が発砲し、5人の子どもが死亡した。 ウクライナ東部では、50万人近くの子どもが紛争の影響を受けている。今年は、学校への攻撃が36件報告され、そのうち1校は15回被害を受けた。また、12月中旬ユニセフは、アフガニスタンで今年の初めから9カ月間に死傷した子どもの数は、毎日9人に相当すると報告した。

ユニセフは、すべての紛争当事者に対し、国際法を遵守し、子どもへの暴力と学校、病院、給水施設を含む民間インフラを標的にすることを直ちに終わらせるよう要求します。また、紛争当事者に影響力を持つ国に対し、子どもたちを保護するためにその影響力を行使するよう呼びかけています。

これらすべての国で、ユニセフはパートナー団体と協力し、最も弱い立場に置かれた子どもに対し、保健、栄養、教育、子どもの保護の取り組みを行っています。

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■ ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。( www.unicef.org )
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する33の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています

■ 日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国33の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。( www.unicef.or.jp )